骨格の強いまちをつくる

誰も取り残さない
未来のために

持続的に
発展する
まちづくりの
基軸として

ライトライン
という
東西の軸をつくるまちづくり

将来を見据えた
ゼロからの挑戦

「技術」がまちをつくる

社会環境の大きな変化に
的確に対応するための
将来の都市構造をなす基軸の
一つが「ライトライン」です。

全国初の全線新設による
LRTとして、
宇都宮市が主体となって
ゼロから検討しました。

宇都宮市の職員が一丸と
なって取り組んだ一大事業。
数あるプロジェクトの中で、
技術的な側面から事業を
支えた
技術職
<土木・建築・機械・電気>の
舞台裏の一部を紹介します。

あなたも、宇都宮市の未来の
まちづくりに挑戦しませんか。

START

CIVIL ENGINEERING

土木職

【作業概要】
ライトライン事業では、宇都宮市施工で初めての一級河川鬼怒川への橋梁工事に取り組んだ。鬼怒川を渡河する全長643メートルのライトライン専用橋で、橋梁形式や最適な工法を検討し、3年という工期で完成させた。

プロジェクト

鬼怒川への橋梁工事

  • 開業に向けた緻密な施工管理。委託業者や施工業者、河川管理者と協力して、施工スケジュールを組み立て、開業につなげる
  • 事業化まで20年。先輩方がつなげてきた想いを形にする

プロジェクトストーリー

ゼロから出発した、子どもや孫に誇れる仕事

  1. 01

    まちづくり+LRTを市民に説明

    ライトライン事業の市民理解の促進

    ライトライン整備についてだけではなく、ライトラインを導入することによる宇都宮市全体に波及する効果を説明するように心がけた。

    技術者の悩み

    事業化当初はLRTという言葉も聞き慣れないためか、導入についてなかなか受け入れられず、市民説明会や地権者交渉において、理解が得られなかった。

    技術者の想い

    ひざを交えて、丁寧に説明すれば、宇都宮市のまちづくりの想いは伝わるはず。根気強く何度でも説明していこう!

  2. 02

    委託業者と協力して事例を収集

    鬼怒川橋梁工事の計画から発注

    鬼怒川橋梁の計画については、委託業者と協力して事例を収集したり、文献を読み込んだり、橋梁形式は何が最適かを、経済性や維持管理、施工性などから選定。鬼怒川橋梁の発注時には、栃木県や他県の発注情報を収集し、現地にも赴くことで、完成イメージを持ちながら、設計書発注に反映させた。

    技術者の悩み

    宇都宮市発注では初めての一級河川鬼怒川への架橋! 情報収集に力を入れた。それに加えて初めての長大橋!
    計画や設計書発注に対しての情報が少なかった。

  3. 03

    タイムリミットは渇水期間

    鬼怒川橋梁工事の河川協議、工程管理

    一級河川鬼怒川の河川内工事については、水が少ない渇水期(11月から翌年5月)しか施工できないため、各渇水期間に安全に工事を完了するべく、大雨時の対策や施工計画など、河川管理者と何度も協議を重ねた。渇水期間工事のため、全体スケジュールから月間スケジュール、さらに週間スケジュールまで管理し、受注業者と密に連絡を取りながら、確実な工程管理を行った。

    技術者の悩み

    開業年度が決まっているため、確実な工程管理と安全な施工管理に注力!河川協議が思うように進まず、何度も協議を重ねる。

    技術者の喜び

    3年かかったが、橋梁は毎年度ごとに確実に完成に向かっていった。工事が進む橋梁を見るたびに、宇都宮市のまちづくりに貢献していると実感。また「子どもや孫に誇れる仕事」ができて感無量!!

地図に残る仕事!
次世代へ残すインフラ!

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ARCHITECTURE

建築職

【作業概要】
ライトライン事業では、車両基地・停留場の新築工事に取り組んだ。利用者の安全性やバリアフリーに配慮し、維持管理の簡便さも考慮。シンボルとなる車両を引き立てるシンプルなデザインの停留場となっている。

プロジェクト

車両基地管理棟、宇都宮駅東口停留場の新築工事

  • 安全な運行管理のために必須の建物である管理棟の新築
  • 全停留場をバリアフリーに対応し、段差や車両との隙間が小さくなるように整備

プロジェクトストーリー

「まちびらき」までに工事を完了させる!

  1. 01

    一般建築と違う3つの課題が山積

    1. 課題01

      一般的な建築は敷地の端から何mという管理。停留場については座標や軌道との離隔により管理する位置の確認を行う。停留場と軌道は、離れすぎると停留場と車両の隙間が大きくなり、乗り降りに支障がでる。近すぎると停留場と車両が接触してしまうため、厳密な管理が求められる。

    2. 課題02

      道路内での工事であり、安全管理や工程管理も一般的な建築とは別の視点から行わなければならない。このような現場の管理は市役所も施工業者も初めて。現場での立ち会いや打ち合わせを日ごろから密に行う必要があった。

    3. 課題03

      駅東口停留場は駅東口地区の公共工事や民間の商業施設工事も進行していて、大型車両の搬入については、多数の関係者との定期的な調整作業が重要に。

  2. 02

    工事の進捗に合わせた施工ステップ

    軌道工事や電車線工事など関連工事との工程の調整

    標準的な施工ステップを決め、それをベースに工事の進捗に合わせた施工ステップを検討。一般的な工事は、一つの工事の完了後に次の工事が始まるが、ライトライン事業ではさまざまな工事が集中して進められていた。

    技術者の悩み

    工事と工事の間の日程調整は1日ごとに行う必要があり、工事によっては毎週日程調整を行っていた。それでも天候等でも工程の修正が必要であり日々の調整に苦労した。
    調整した工程を遅らせないためにどうするか、遅れた工程をどのように取り戻すかに日々頭を悩ませていた。

    ミリ単位の現場での調整

    工事着手にあたり座標を用いて停留場の位置出し

    位置出し後、軌道との離隔の確認。また、停留場の床の高さについても軌道との高さ関係の確認。位置出しがズレるとあらゆる工事において支障となるため、ミリ単位で現場での調整が必要だった。離隔については別途工事にも影響するため関連する施工業者で立ち会いを行った。

    技術者の悩み

    停留場ごとに関連工事の進捗が異なり、立ち会う業者との調整に苦労。一般的な工事では必要のない工程のため、施工業者に必要性を丁寧に説明する必要があった。最初の位置出しがズレた場合の手戻りが計り知れないので、関連工事の市役所の担当者や施工業者と認識の違いがないように必死!

  3. 03

    建物と軌道との離隔(離れ、隔たれていること)に苦慮

    鉄骨の建方工事

    鉄骨工事の施工管理基準を守りつつ、軌道との離隔を確認する。軌道を敷設する前に鉄骨建方を行う場合は、軌道敷設位置を想定しながら、適正な離隔を細かく確認。また、道路内での施工は空間が狭く、すぐ近くを車が通過するため、道路規制などを含めて厳密に安全管理を実施した。

    技術者の悩み

    コロナ禍の影響もあり、鉄骨の手配に通常では考えられない期間を要した。製作図の確認や施工日の調整などを早い段階から行う必要も!ただでさえ厳密な工程が求められるなか、材料の手配など外的要因も考慮しながらの調整に苦労。

  4. 04

    数ミリ程度の誤差を厳密に管理

    停留場のホーム床の整備工事

    鉄筋の配筋や型枠工事、コンクリートの打設などの段階で、軌道との離隔の確認を行う。ホームの離隔については、数ミリ程度の誤差を厳密に管理するため、あらゆる工程において、離隔を確認する必要があった。通常よりひと手間増えることで、施工業者も対応に時間を奪われていた。手間は増えるが必要な工程であるため、工程の重要性を施工業者と共有する必要があった。

    技術者の悩み

    現場での立ち会いを頻繁に行う必要があり、いつも以上に現場確認に追われる時間が重要で、体力的に消耗。

    技術者の叫び

    私が異動したのは2023年8月の開業に向けて、整備工事を進めている段階。早期開業のために一日でも工程を進めなくては!

プロセスは苦労の連続!
でも、達成感は無限大!

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MACHINE

機械職

【作業概要】
本事業の中では、17編成の車両の調達に取り組むなかでデザインの再現性も重要なポイントであった。
目指すべき未来を担う公共交通システムとして、トータルデザインを採用し、将来のイメージを牽引する「まちの顔」となる車両のデザインを含め、統一感のあるデザインとなった。

プロジェクト

ライトライン(LRT車両)の調達

  • 市民に喜ばれるライトラインの実現
  • 利用者や乗務員が快適に利用するイメージで業務に取り組む

プロジェクトストーリー

市民、利用者、乗務員……
それぞれが求めるものを実現する

  1. 01

    安全性、快適性、再現性……

    車両メーカー、デザイン会社、運行事業者と安全性、快適性、また公募により決定したデザインの再現性、維持管理性、コスト縮減などを考慮しながら、製造を進めるうえでの各種調整作業を行う。

    より良いものを目指す

    車両メーカーやデザイン会社、利用者や乗務員など立場が違うことで求めるものは異なってくる。法律の確認や国との調整、他社の事例、有識者へのヒアリングなどをふまえ、それぞれが求めるものを実現することに注力。より良いものを目指して製造を進めるという点に力を入れた。

    話し合うことで納得するものができる

    安全性を確認するうえで重要となる運転台については、モックアップ(実物大の模型)を作成。運転席からの視界や運転席回りのスペースなどを確認。よりよいものを目指して、製造スケジュールを守りつつ、スペースや機器の配置・材質などのデザインを含めた設計を見直す。
    納得できるものにするため、車両メーカーやデザイン会社などと何度も話し合いを行った。

    技術者の悩み

    宇都宮市で生まれ育ち、路面電車に乗ったことも、路面電車がどういうものなのかもよくわからない状態。配属当初は、文献などによる情報収集のほか、各軌道事業者の視察などのヒアリングを通じて知識を身につけた。その道のプロを相手に、納得してもらう調整作業は非常に難しかった。

    車両の使用を定めるには、車両以外にも事業概要から運行計画、軌道設備や電気設備など幅広い知識が必要であり、各担当者との調整に時間を要した。

  2. 02

    新潟県から大型トレーラーで

    ライトラインは、新潟県から大型のトレーラーで運搬された。大型車両による運搬のため関係官公庁(道路管理者)に事前申請したルートを通行。通行量の少ない時間帯での走行などの制約もあったことから、ライトラインが車両基地へ搬入されたのは早朝の4時頃だった。

    厳重な警備体制の下、ライトラインの納入

    まだ暗い中での荷下ろし準備や、車両基地へ進入するときには、国道を3車線使用してカーブする必要があったので
    ライトラインの納入を見学しに来た方たちなどにも事故のないように厳重な警備体制を敷いて、慎重に作業を行った。

    一年かけて17編成を調達

    約一年超の期間を要し、17編成を調達。その間も、車両基地を並行して整備していたため、日々変わる現場に合わせて、その都度、搬入時の現場の状況を想定しながら、起こりうる課題の整理と対応策を検討した。搬入は、事前の調整が肝心。何度も車両メーカーや運搬会社、工事事業者や担当者と綿密な打ち合わせを行った。

    軌道上で車両を接続

    ライトラインの搬入や荷下ろしは大型トレーラー3台(3両1編成のため)とクレーン車2台を同時に使用。1両ずつ荷下ろしを行い、軌道上で接続するという作業に。待機車両のスペース確保や入れ替えの動線、安定した荷下ろし場の設置など、担当者と何度も協議を重ね、各事業者の力を借りながら、進めていった。

    技術者の喜び

    車両基地への搬入時は、まだ暗い時間帯であり、事故がないか、また、車体が損傷しないかをハラハラしながら見守る。1編成目が到着するまでは、待ち遠しくてそわそわし、車両基地に到着したときには非常に感慨深かった。

  3. 03

    75年ぶりの開業へ

    国内で新たな路面電車が開業するのは75年ぶりとなる。どのように進めていくかも手探りの状態。ほかの軌道事業者の新車調達時の試験項目や、軌道を延線したときの試験項目などを参考にしながら、国との協議を重ね、試運転計画を作成した。
    開業までに実施する試験スケジュールから、1日あたりの時間ごとのスケジュール、実施に向けた人員配備の計画や関係者との協議など業務は多岐に渡る。安全を最重視し、事故が起こらないように注意深く実施することを試みた。

    試運転は3区間に分けて

    試運転は区間ごとに大きく3回に分けて行った。各区間ごとに確認する項目や方法、注意する場所も異なるので、各担当者ごとに十分に話し合い、進めていく。

    いよいよ、車両基地から本線へ

    試運転は夜間作業で行われた。地上側の職員と連携し、予定通り試運転を進めることに集中する。ライトラインが車両基地から出て、初めて本線を走行したときには、沿道に多くの方が集まり、手を振って応援してくださっていた。
    試運転の初日は時速5km程度で走行していたことから、目的地の宇都宮駅東口についたのは夜中の12時近く。しかし、そこでもたくさんの人が見守っていてくれた。

    技術者の悩み

    実際に走らせることで、初めてわかることも多く、軌道事業の難しさについて改めて痛感。課題の解決に職員一丸となって取り組んだ。

    技術者の喜び

    皆さんの応援や見守ってくださる姿に、自分の仕事への責任感や、市民からの期待感を強く感じた。同時に、熱い思いが込み上げ、溢れてきたことを覚えている。

将来を見据え、
新しいことへの挑戦!!

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ELECTRICITY

電気職

【作業概要】
ライトライン事業では、電車線路設備工事、信号設備工事などに取り組んだ。LRT車両の走行に必要な電気を供給するための設備である電車線路設備(電車線(トロリ線)・架線柱等)と、起終点や追い越し番線のある停留場において、LRT車両の進路を構成し、運転士に向け表示する設備である信号設備(軌道信号機、軌道回路等)などを整備した。

プロジェクト

LRT電車線路設備工事
信号設備工事

  • ライトラインの安全かつ安定的な運行を支える重要設備。工事にあたっては、国の基準等に基づき、適正に施工する

プロジェクトストーリー

関係法令、工事スケジュール、検査……
さまざまな障壁を乗り越える

  1. 01

    軌道法などの関係法令に準拠させる

    1. 課題01

      一般的な公共施設の電気設備工事ではなく、専門性の極めて高い工事

    軌道法などの関係法令に準拠した出来形(工事施工が完了した部分)を上げることと、道路内での工事であるため、十分な安全対策について施工業者と密に連携を図り、安全管理や工程管理を行う必要があった。

    技術者の想い

    ライトラインは鉄道やバス・地域内交通とともに、公共交通が便利につながった階層性のあるネットワークを形成し、住まいや医療・福祉・商業など生活に必要な施設を集約した拠点間を結び、持続的に発展するまちづくりの基軸となるもの。全国発の全線新設による本格的なLRTの導入は、困難性も高い事業だが、大変やりがいのある事業!

  2. 02

    調整を密に行い、円滑で効率的な施工を模索

    各種工事の発注

    軌道施設の電気設備として、電車線路設備工事や信号設備工事などの工事設計書による発注。近接するほかの軌道工事や停留場工事などと施工ステップの調整を密に行い、円滑で効率的な施工ができるよう各土木担当や建築担当と協議を行った。

    技術者の悩み

    経験のない各種工事であり、かつ道路内での工事であるため、施工ステップの調整にあたっては、大変苦慮。調整は困難で時間もかかったため、焦る気持ちが大きい!

  3. 03

    確認や指示には細心の注意を払って……それでも焦る!

    工事管理・工程管理

    発注した電車線路設備工事や信号設備工事などの適正な工程管理。軌道工事や停留場工事の担当者(施工業者を含め)と日々の工事進捗を把握し、共有しつつ、いかに円滑で効率的に施工ができるか。また、少しでも工期の短縮ができないか、密に連携を図り協議を行う。軌道法等の関係法令に準拠した設備とする必要があるため、基準の確認や施工業者への指示には、細心の注意を払った。

    技術者の悩み

    各種工事の進捗状況を踏まえつつ、自身の工事が少しでも早く着手・完了できるよう、各施工業者や関係機関等と密に連携・調整を図った。ほかの工事へ影響を与えてしまうこともあり、全体の工事スケジュールが遅延しないよう、細部に注意を払う工程管理。ますます焦る!

  4. 04

    「合格」へのプレッシャーを跳ね除ける

    開業前検査

    試運転前および開業前における県などの検査にあたり、検査に「合格」できるよう、各設備の状態や性能などの検査項目についての確認に加え、検査に向けた事前の準備を入念に行い、何度も確認を行った。

    技術者の悩み

    全国初の全線新設のLRTとなるライトラインにおいて、参考となる類似の検査事例がほとんどないなか、検査の対応方法から詳細な検査内容などについて一から調査する必要があり、確認に時間を要した。
    開業日に影響がでないよう時間との勝負であり、プレッシャーは大きかった。

    技術者の喜び

    ゼロから新たに軌道施設を作り、ライトラインが走った瞬間のことは今でも鮮明に記憶に残っている。電気担当として、ライトライン事業に携わることができ、開業を迎えた瞬間は、達成感や高揚感を感じ、胸が熱くなったことを覚えている。

数々の障壁とプレッシャーを乗り越えたあとの満足感!

GO WEST!
今いる場所から次の舞台へ。
次はあなたの
ストーリーを刻みます。

ここに紹介したのは
ライトライン事業のほんの一部。
まさにゼロからの挑戦は苦難の連続。
それでも、目標とする「市民の利便性」
「持続的に発展するまちづくり」の
基軸になる事業は
職員の誇りでもありました。

でも、まだ終わりではありません。
ライトラインはさらに西へ。
新たな挑戦は、もう始まっています。
あなたが事業に携わる一員になる日。
技術職の私たちは準備を整えて待っています。