獣医師 入庁14年目のインタビュー
動物の持つ力、命の尊さともに暮らす楽しさを次世代へ
獣医師
保健所生活衛生課
入庁14年目
キャリア
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大学
農学部獣医学科
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前職
他自治体勤務
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1年目~6年目
保健福祉部 保健所生活衛生課
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7年目~11年目
保健福祉部 衛生環境試験所
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12年目~
保健福祉部 保健所生活衛生課
就職の決め手
野生動物、動物園、そして行政獣医師へ
子どもの頃に見ていたテレビの動物番組をきっかけに、獣医師を目指す夢を持ちました。当初は野生動物を守りたいという思いがあり、その後、種の保存や繁殖に携わる動物園の獣医師を志しました。
山口県出身ですが、動物園を所管する九州地方の自治体で行政獣医師としてのキャリアをスタートさせました。結婚を機に転居し、宇都宮市役所に入庁しました。民間企業ではなく行政機関を選んだ背景には、仕事と子育ての両立という理由に加えて、人のためにボランティアをしていた尊敬する祖母の影響があります。祖母の姿から、社会的な平等や安定を維持し、市民に近い立場で本当に必要な支援ができる行政という仕事に大きな魅力を感じました。
仕事内容
人と動物どちらも幸せに暮らせる社会を
現在の主な業務は、保護された犬猫の譲渡、動物愛護の普及啓発やペットの適正飼育指導、狂犬病予防法に基づく集合注射や登録手続きです。ほかには、生活衛生分野にも携わります。
動物愛護に関わる仕事は、動物自体の問題に取り組むだけでは解決できないケースが多々あります。動物を増やしてしまう「アニマルホーダー」と呼ばれる人々は、複雑な問題を抱えていることも多く、保健や福祉分野など、他部署との連携が不可欠です。仕事を始める前は「動物の命を守りたい」という気持ちが中心でしたが、今は「人と動物のどちらも幸せに暮らせる社会をつくりたい」という思いが強くなりました。動物愛護は「命の重さ」だけでなく、「人との関わり」があってこそ成り立つものだと感じます。相手の立場を想像し、共感をもって行動する大切さを痛感しています。
仕事の魅力
命のリレーをつなぐ。目標は生き生きした暮らし
宇都宮市役所はInstagramでの情報発信や殺処分ゼロに向けた施策など、新しいことにもチャレンジさせてもらいやすい環境です。
以前、社会的に困難な状況にある飼い主に対し、動物を引き取るだけではなく、福祉が介入して生活再建を支援した事例があります。譲渡会を開いて登録団体にも協力を仰ぎ、新たな飼い主を探す支援を行いました。行政のできる範囲で人と動物の生活を救いたいという思いが、実を結ぶ結果になりました。
また、市民や獣医師と協力して子猫を譲渡可能な状態大きさにまで育て、新たな飼い主につなげる事業も行っています。新しい家族の元で生き生きと幸せに暮らしている動画や写真を見ると、この仕事をしていてよかったと強く感じます。
今後の目標
動物行動学と癒しの力
今後の目標は、動物行動学などの専門知識を身につけたいと考えています。動物の行動の理由を深く理解することで、譲渡の際の助言や、譲渡しやすいような訓練を進められるようになりたいからです。
また、高齢者や障がいを持つ方への動物の譲渡についても課題意識を持っています。外とのつながりがない人ほど動物で癒されるため、最後まで責任を持てる方へお渡しするのは前提としつつ、一時預かりボランティア制度など、動物と触れ合える機会をつくる制度の構築に力を注ぎたいです。
さらに、動物愛護の現場で得た経験を、次の世代に伝えていけるような仕事をしていきたいです。子どもたちに「命の大切さ」や「生きものと共に暮らす楽しさ」を伝える教育活動にも力を入れたいと思っています。
1日のスケジュール
スケジュール
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08:30
始業 窓口業務・電話対応
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10:00
関連団体との打ち合わせ
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11:00
収容動物の健康管理 投薬・処置・採血など
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12:00
昼休憩
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13:00
苦情対応 糞尿被害、鳴き声など
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16:30
保健所到着 立ち入り検査結果記録、口頭記録作成、イベント準備など
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18:30
退勤




